人気オープンワールドRPG「ウィッチャー」シリーズの原作小説「ウィッチャーⅤ 湖の貴婦人」のページです。小説とゲームの両方に共通で登場する人物や、関連についてまとめています。
概要・みどころ
「ウィッチャーⅤ 湖の貴婦人」はポーランドの人気作家アンドレイ・サプコフスキが描く、全5巻におよぶ大長編ファンタジー小説「ウィッチャー」サーガの最終、第5巻です。
湖の貴婦人は早川書房より2019年7月に発行されたばかりの非常に新しい書籍です。邦訳はこれまでのウィッチャー・サーガのシリーズを一貫対応されてきている川野靖子先生によります。
ご存じのとおり、人気RPG「ウィッチャー」シリーズの原作にあたり、非常に大勢の個性的なキャラクターが登場し、複雑に絡み合う、重厚で深みのあるストーリーが魅力の大傑作小説です。
特にこの第5巻は非常にページ数が多く、1冊で一般的な小説の2冊分くらいのボリュームがあります。読み始めると続きが気になって止めにくいですから、十分に時間が取れる時に読まれることをお勧めします。
「湖の貴婦人」たちによる回想
湖の貴婦人とは、ゲーム版ウィッチャー3のクエスト「ただ一人のみ」をプレイされた方ならピンと来ると思いますが、湖から現れて戦士に剣を授けるという伝説の女神のことです。
但し、本書「ウィッチャーⅤ 湖の貴婦人」では、その「湖の貴婦人」そのものが登場するわけではありません。「湖の貴婦人」のような女性2名が本書では登場します。
湖の貴婦人のような女性の1人目は、全ての物語が終わった後、世界を移動していて湖に現れた時に、ガラハドという名の騎士に目撃されてしまい「湖の貴婦人」の降臨だと勘違いされてしまったシリ自身です。
もう1人はニムエという名前の後世の女魔術師です。ニムエは非常に熱心なシリ研究家で、湖のほとりに住みついているために湖の貴婦人と言うあだ名がつけられています。
この2名の「湖の貴婦人」の回想により、物語が展開します。
激化する北方戦争を背景に、ゲラルトとシリが囚われのイェネファーを救出し、ヴィルゲフォルツとの最終決戦に挑んでいくストーリーが、非常に多くの視点、世界、時期が切り替わりながら並行して進んで行きます。
女魔術師会によるハニートラップ
第1巻「エルフの血脈」での出来事以降イェネファー一途だったゲラルトですが、本作「湖の貴婦人」では、まんまと女魔術師会が放つハニートラップの罠に掛かります。
最強追跡者であるゲラルトを足止めしている間に、ヴィルゲフォルツを見つけ、倒し、またシリの身柄を確保しようというのが女魔術師会の目的です。
ヴィルゲフォルツというのはシリの能力を悪用しようとしている邪悪な魔術師です。
とはいえ、女魔術師会もまたヴィルゲフォルツの消息を掴んでいません。ゲラルトを泳がせつつ、情報を入手しつつ、でもゲラルトを出し抜こうというのが女魔術師会の魂胆ではあります。
しかしゲラルトも抜け目なく、どちらがどちらにハニートラップを掛けたのか分からないような、とても面白い展開になります。
イェネファーの「なるほどね」
ゲラルトが親友とともにヴィルゲフォルツの潜伏する城に到達します。またシリも世界の間を移動できるようになり、城に現れます。
2人は手分けして一党を退治していきます。シリと、その頬の傷の恨みであるボンハートとの一騎打ちもすさまじいです。また、ゲラルトの方はイェネファーを見つけ出して解放した後、共にヴィルゲフォルツ戦に挑みます。
これらの過程で、ゲラルトを慕って共にシリ探しを続けてきた4名の親友(レジス、ミルヴァ、カヒル、アングレーム)が次々と壮絶な最期を迎えます。
そしてラスト、ついにヴィルゲフォルツと対峙します。戦闘は想像どおりの激しい展開になります。なかでも、第2巻「屈辱の刻」でゲラルトの骨を木っ端みじんに砕いた鉄の棒による猛撃は脅威です。しかし意外な方法でこれを打ち破ることに成功します。
戦いの後「メダルのおかげだ」と言うゲラルトに対し、イェネファーは「なるほどね」と返します。非常に短いやり取りですがその行間には、多くを悟り、でも取り乱すこともなく、ゲラルトによりそおうとするイェネファーが描かれます。
ヴィルゲフォルツ戦では展開のスピード感に加え、恨み、悲しみ、愛情といった様々の感情が交錯します。また、登場人物の個性もはっきりしていてブレません。邦訳のレベルの高さがウィッチャー・サーガのシリーズを通しての魅力の1つだと思います。
皇帝との面会、そしてリヴィアの暴動
ヴィルゲフォルツ戦の後は、エムヒル皇帝と面会し、エムヒル皇帝とシリの真の関係が解き明かされます。さらにその後、ゲラルトはリヴィアの暴動に巻き込まれて命を落とします。
ゲーム版ウィッチャーを先にプレイされた方なら、ゲラルトが過去に一度死んでいることは知っているかと思います。どういう経緯で死に至ったのか、また、何故復活できたのか、といった部分は本書「湖の貴婦人」にて詳細に知ることが出来ます。
ウィッチャー3と共通の登場人物
ゲーム版ウィッチャー3と共通の登場人物についてまとめました。
下表では、ウィッチャー3のクエストには登場しないものの、グウェントカードのキャラクターとしてのみ登場する人物についても網羅しています。原作小説では活き活きと描かれており、ゲーム版ではわからなかった部分のエピソードを含め、広く知ることが出来ます。
ゲーム版での容姿 | 内容 |
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ゲラルト レギュラー登場人物 白狼の名で知られるウィッチャー |
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シリ レギュラー登場人物 シントラの故キャランセ女王の孫娘 |
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イェネファー レギュラー登場人物 女魔法使い。ゲラルトの恋人。 |
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ダンディリオン レギュラー登場人物 吟遊詩人 |
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トリス レギュラー登場人物 女魔術師会の構成員 女魔法使い |
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フィリパ レギュラー登場人物 女魔術師会の構成員 レダニアの女魔法使い |
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ディクストラ レギュラー登場人物 レダニア国の諜報部長 |
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カヒル・マー・ディフリン・エプ・シラク 黒い羽根つき兜の騎士。元ニルフガード軍人。ウィッチャー3では、グウェントカード(ニルフガード帝国)のキャラクターとして登場。 |
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レジス 理髪外科医。吸血鬼。 |
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ミルヴァ 本名マリア・バリング。弓の名手。ウィッチャー3では、グウェントカード(スコイア=テル)のキャラクターとして登場。 |
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アヴァラック エルフの賢者。アエン・セヴェルネ。 |
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シャニ 志願看護師。オクセンフルトの医学生。 |
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フランチェスカ・フィンダベア 女魔術師会の構成員 エルフの女魔法使い。花の谷の女王。ウィッチャー3では、グウェントカード(スコイア=テル)のキャラクターとして登場。 |
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フリンギラ 女魔術師会の構成員 ニルフガード帝国の女魔法使い。 |
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ヤーペン・ジグリン ドワーフ。ウィッチャー3では、グウェントカード(北方諸国)のキャラクターとして登場。 |
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ゾルタン ドワーフ |
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アンナ・ヘンリエッタ トゥサン公国の公爵夫人。 |
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エレディン エルフ。赤き騎馬団のリーダー。 |
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エムヒル・ヴァル・エムレイス ニルフガード帝国の皇帝。 |
Lore・エピソード
ウィッチャー3のクエスト「トゥサンの怪物」
「トゥサンの怪物」では、シェルマール戦の後、ダミエンを探しにアンナ・ヘンリエッタ公爵とゲラルトが並んで歩くシーンがあります。
その時の会話で「閣下、ダンディリオンをお探しで?」というゲラルトの問いに対しアンナ・ヘンリエッタ公爵は「ええ!いえ、違います!」と取り乱します。
アンナ・ヘンリエッタ公爵が言う、「死刑判決は正しかったのに、後になって取り消した」という話は、アンナ・ヘンリエッタ公爵のダンディリオンに対する判決を指しています。
この部分の真相は、本書「湖の貴婦人」の終盤、ゲラルトとシリがダンディリオンに会いにトゥサンを訪れるシーンにて詳細に説明されています。
ウィッチャー3のクエスト「恩返し」
「恩返し」はシリがノヴィグラド滞在時にお世話になった人々に再び会いに行くというクエストです。
シリは人から受けた恩を大事にする性格で、本書「湖の貴婦人」でも厚恩を受けた場所など、思い出の地を再訪するシーンが描かれています。
「恩返し」はシリの行動基準に沿った、とてもシリらしいクエストであるといえます。
また、「恩返し」のクエスト内では、これまで訪問した色々な時代の色々な場所の話をシリが話します。
本書「湖の貴婦人」においても、イェネファーが囚われているヴィルゲフォルツの城に到達するまで、時空を超えて様々な場所へ移動する様子が描かれています。
ウィッチャー3のクエスト「ヴェニ・ヴィディ・ヴィゴ」
「ヴェニ・ヴィディ・ヴィゴ」ではエムヒル皇帝の旗船に乗り込み、フリンギラを解放します。その後「薄氷の上で」を開始するまでの間、ケィア・トロールド波止場の船の上でフリンギラと会話することが出来ます。
会話すると「とにかく、その話は無し。私のことなんて、ずっと気にもかけなかったんでしょ」となじられます。フリンギラがこう発言する背景については、本書「湖の貴婦人」を読んでいないと理解が難しいかと思います。
関連ページ
- ウィッチャーⅠ エルフの血脈
- ウィッチャーⅡ 屈辱の刻
- ウィッチャーⅢ 炎の洗礼
- ウィッチャーⅣ ツバメの塔
- ウィッチャーⅤ 湖の貴婦人 ※本ページ
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