人気RPG「ウィッチャー」シリーズの原作小説についてまとめているページです。いずれも、ポーランドの人気作家アンドレイ・サプコフスキの著作です。
原作小説を読みたい
ゲーム版のウィッチャーをプレイすると、多くの個性的な人物、国々、種族が織りなす大小さまざまな物語があり、溺れそうになる程です。そして、ひとつずつ意味が分かってくると、その背景にある壮大な全体ストーリーの存在に気づいてきます。こまちゃんもそうでした。
ある瞬間のスナップショットであるゲーム版でさえこんなに面白いのに、原作小説はいったいどんなスケールの物語なんだろうか、原作小説を読んでみたい、どんな世界になっているのか見てみたい。そういった思いが込み上げてくるでしょう。
原作小説のラインナップ
「ウィッチャー」の原作小説はポーランドの人気作家アンドレイ・サプコフスキの著作です。海外の小説ですから、いざ読んでみようと思っても、どれをどんな順で読めばいいのか、そもそも日本語版があるのか、原書を読まないといけないのか、などわからないことが多く出てくるでしょう。
本ページでは、ウィッチャーの原作小説が「日本において」現在どういう状況なのかを整理しています。本記事は2019年8月現在の情報で記載しています。
ウィッチャーの原作小説は全部で9冊あります。9冊の内訳は、長編ファンタジー小説「ウィッチャー サーガ」全5巻、短編集3冊、長編1冊です。発行された年順に並べると以下のようになります。
原題・発行年 | 日本語版・発行年 |
---|---|
Miecz przeznaczenia (1992) |
短編集 英題: Sword of Destiny ウィッチャー短篇集2 運命の剣(2022) |
Ostatnie życzenie (1993) |
短編集 英題:The Last Wish ウィッチャー短篇集1 最後の願い(2021) |
Krew elfów (1994) |
ウィッチャーサーガ 第1巻 英題:Blood of Elves 魔法剣士ゲラルト エルフの血脈(2010) ウィッチャーⅠ エルフの血脈(2017 改題) |
Czas pogardy (1995) |
ウィッチャーサーガ 第2巻 英題:Time of Contempt ウィッチャーⅡ 屈辱の刻(2017) |
Chrzest ognia (1996) |
ウィッチャーサーガ 第3巻 英題:Baptism of Fire ウィッチャーⅢ 炎の洗礼(2018) |
Wieża Jaskółki (1997) |
ウィッチャーサーガ 第4巻 英題:The Tower of Swallow ウィッチャーⅣ ツバメの塔(2019) |
Pani Jeziora (1999) |
ウィッチャーサーガ 第5巻 英題:The Lady of the Lake ウィッチャーⅤ 湖の貴婦人(2019) |
Coś się kończy, coś się zaczyna (2000) |
短編集 英題:Something Ends, Something Begins 日本語版未発行 |
Sezon burz (2013) |
長編 英題:Season of Storms 日本語版未発行 |
これらの9冊が基本になります。この9冊以外にも幾つかの書籍があることはあるのですが、ウィッチャーの世界観やキャラクターを借り、独立して展開しているような内容で、本題のストーリーの路線からは少し逸脱したものになりますので、一覧には含めていません。
上表の通り中心的なストーリーである長編部分の「ウィッチャー サーガ」については5巻とも既に日本語訳がされています。
2022年 追記
さらに短編部分についてもハヤカワさんから翻訳版の出版が続いています。いずれもウィッチャーサーガ5巻全てを手掛け、ウィッチャーの世界観を熟知されている翻訳家、川野先生による翻訳となっています。
上表は、原作が出版された発行年順に並んでいますので御注意下さい。ストーリー的な時系列で行くと次項のチャート図の通り「最後の願い」が先頭になります。
ストーリーの順序
ウィッチャーの原作小説におけるストーリーの時系列としては、短編集の「The Last Wish」が一番先頭に来ます。
「The Last Wish」は全7話の短編集で、例えばその7話のうちの1つで書籍のタイトルにもなっている「The Last Wish」は「最後の願い」、つまりウィッチャー3をプレイした方ならピンと来ると思いますが、まさにゲラルトとイェネファーの出会いを描いたエピソードになります。
時系列にとことんウィッチャーの世界を知りたい場合は短編集である「最後の願い」と「運命の剣」から読み始めると満喫できるでしょう。
とはいえ中核となるストーリーであるウィッチャー サーガの5巻を読破するだけでもストーリーがまとまっており、エルフの血脈から始めて、長編からチャレンジするのでも全く問題ありません。
原作小説は、作者のアンドレイ・サプコフスキ先生の表現手法で、色々な人物の視点がめまぐるしく切り替わりながら、また、現在進行形の話と回想の話が交錯しながら、映画のように話が進んで行きます。
ですので「ウィッチャーⅠ エルフの血脈」から順番に読んで行ったほうが、世界観にどっぷり引き込まれていき、最大限に楽しんで読んで行けると思います。
また、全体のストーリーの流れとしては、原作小説が先で、ゲーム版がその後ろに直列で1、2、3と並びます。
ゲーム版ウィッチャーのストーリーは、原作小説のラスト、ゲラルトやイェネファーは死んでしまったの?生きているの?どうなったの?シリはどこへ行ったの?というところからの続き部分を受け継ぐようにストーリー展開されていきます。
原作小説とゲーム版ウィッチャーは、どちらが先でも大丈夫だと思います。こまちゃんはゲーム版ウィッチャーを先にプレイし、その後で原作小説を読みましたが、混乱はありませんでした。