人気RPG「ウィッチャー」シリーズの原作小説 第1巻「ウィッチャーⅠ エルフの血脈」のページです。小説とゲームの両方に共通で登場する人物やエピソードなどをまとめています。
概要・みどころ
「ウィッチャーⅠ エルフの血脈」はポーランドの人気作家アンドレイ・サプコフスキが描く、全5巻におよぶ大長編ファンタジー小説「ウィッチャー」サーガの第1巻です。
ご存じのとおり、人気RPG「ウィッチャー」シリーズの原作にあたり、非常に大勢の個性的なキャラクターが登場し、複雑に絡み合う、重厚で深みのあるストーリーが魅力の大傑作小説です。
旧タイトル「魔法戦士ゲラルト エルフの血脈」
「ウィッチャーⅠ エルフの血脈」は、古くは「魔法戦士ゲラルト エルフの血脈」というタイトルで書籍が発行されていましたが、そちらは絶版となっています。プレミアもついており入手が容易ではなく、コレクター向け書籍となってしまっていました。
その後2017年に「ウィッチャーⅠ エルフの血脈」と改題して再発行され、現在では簡単に入手し、読むことができるようになっています。旧版も新版も内容は全く同じで、タイトルが異なっているだけです。
エルフの血脈のみどころ
この原作小説「ウィッチャーⅠ エルフの血脈」とこまちゃんの出会いは、ウィッチャー3のメインストーリーを終えた後、もっと深くウィッチャーの話を知りたい・読みたいと思ったところにありました。
ストーリーの時系列は、原作小説のほうが先で、ゲーム版はその続きの話になります。ストーリーを時間軸に沿って順番に読んでいきたいという場合は、本来的には先に原作小説を読む方が良いのでしょう。
しかしながら、こまちゃんはゲームが先で、原作小説を読んだのはその後でしたが、特に困ることは何もありませんでした。
ゲーム版で描かれる時点では既に故人となっているような人物が、原作小説の時点ではまだ存命中というケースも多いです。それもあって、原作小説のほうはゲーム版以上に多くの人物が複雑に絡み合う重厚なストーリーになっています。
こまちゃんの場合、ゲーム版を先にプレイし終わっていたことで、主要人物を既にある程度理解できていましたから、おかげでスムーズに原作小説を読むことができたように思います。
シリ、ゲラルト、イェネファー
「ウィッチャーⅠ エルフの血脈」では、シントラの王女だったシリが、シントラ滅亡後、運命で繋がっているゲラルトに守られ、ケィア・モルヘンでウィッチャーの戦闘術を学ぶという、まさにゲーム版ウィッチャー3の最初のクエスト「ケィア・モルヘン」で回想されるシーンの時期が描かれます。
ケィア・モルヘンでの訓練の後、さらに続いてシリは、時代を代表する高名な魔術師であるイェネファーから魔術の訓練も受けます。その共同生活をとおして、シリとイェネファーとの間に徐々に心の絆が芽生え、深い信頼関係が築かれていく様子も描写されます。
ウィッチャー3をプレイしていると、何故シリとゲラルトやイェネファーとの間に養親子関係があるのだろう?何故こんなに固い絆で結びついているんだろう?とすごく不思議に感じます。
その答えは「ウィッチャーⅠ エルフの血脈」を読むことで詳しく知ることができます。
ロマンス
ゲーム版のウィッチャーシリーズでは、ゲラルトはとてもプレイボーイです。世界各地で数々のロマンスが発生してしまいます。
しかし、原作小説におけるゲラルトはとにかくイェネファーに一途です。続く第2巻「ウィッチャーⅡ 屈辱の刻」では二人の間の深い愛情が赤裸々に描かれますが、「ウィッチャーⅠ エルフの血脈」は、ゲラルトとイェネファーが寄りを戻す前の時点にあたり、ゲラルトとイェネファーの間のやり取りはかなりぎこちない状態です。
原作小説でも、ゲーム版ほど頻繁ではないものの若干のロマンスが発生します。そのひとつが「ウィッチャーⅠ エルフの血脈」で描かれます。
原作小説では、ゲラルトに対して想いを寄せる女性、色仕掛けをする女性じたいはたくさん出てきますが、ゲラルトは基本的に意にも掛けません。基本路線としてはゲーム版よりもイェネファーひとすじの色合いが濃く、若干脱線することもあるかもしれない、といった程度になっています。
ゲーム版と共通の登場人物
本項ではゲーム版ウィッチャー3と第1巻「ウィッチャーⅠ エルフの血脈」に共通で登場する人物についてまとめています。原作小説を読むことで、ゲーム版ではわからなかった部分のエピソードを含め、広く知ることが出来ます。
ゲラルト
レギュラー登場 ウィッチャー
白狼の名で知られるウィッチャー
シリ
レギュラー登場
シントラの故キャランセ女王の孫娘
イェネファー
レギュラー登場 女魔術師会 ロマンス
女魔法使い。ゲラルトのかつての恋人(2巻からは「ゲラルトの恋人」に表記が変わる)
ダンディリオン
レギュラー登場
吟遊詩人
トリス
レギュラー登場 女魔術師会 ロマンス
女魔法使い
フィリパ
レギュラー登場 女魔術師会
レダニアのヴィジミル王に仕える女魔法使い
ディクストラ
レギュラー登場
レダニア国の諜報部長
シャニ
ロマンス
オクセンフルト・アカデミーの医学生。志願看護師
Lore・エピソード
ケィア・モルヘン
ウィッチャー3のメインクエストの先頭クエスト「ケィア・モルヘン」では、ゲラルトが夢で見た内容として、シリの戦闘訓練時代の回想シーンが描かれます。ケィア・モルヘンの塔の最上階の寝室に居た女性としてイェネファーが登場します。
しかし、続く「リラとスグリの香り」では夢から覚めたあと、居るはずのないイェネファーが居るおかしな夢を見た、という話の流れになります。
では、実際に居たはずの女性は誰だったのでしょうか、という部分の答えは「ウィッチャーⅠ エルフの血脈」で詳しく語られています。居たのは誰か、何故居たのか、といった部分を知ることが出来ます。
ノヴィグラドの火葬
「ノヴィグラドの火葬」では、ノヴィグラド市内にあるトリスが住んでいた邸宅を訪れた際、トリスは霊薬が嫌いだった・・・というゲラルトの独り言が入ります。
トリスがなぜ霊薬を嫌うのか、さらにトリスに霊薬を与えると何が起きるのかについては、「ウィッチャーⅠ エルフの血脈」で詳しく描かれています。
趣味の問題で嫌っているのではなく、本当にダメだったということがわかります。
ケィア・モルヘンの戦い
「ケィア・モルヘンの戦い」にて、ワイルドハント戦が始まる前に協議がありますが、武器庫を片づける選択をすると「シーラウェッドの薔薇」というユニーク品の銀の剣を入手することが出来ます。
ゲーム版では、シーラウェッドの薔薇は武器の名称として使われていますが、その由来については「ウィッチャーⅠ エルフの血脈」を読むと知ることが出来ます。
シーラウェッドの薔薇とはどんなバラの花なのか、また、スコイア=テルにとってどういう意味をもつものなのか、実は奥の深い話だったということがわかるでしょう。